No. 149 　2013年7月　（2001年1月　開設）

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・飛山城跡を歩く

ウォーキング・ノート

ウォーキング・ノート

　
49．　古賀志山

一番回数多く登った山がこの古賀志山。 宇都宮市内、平野の中の独立した山塊。国道293の大谷、多気山の西から、宇都宮森林公園への案内で、車を進めると、奥に赤川ダムと手前の大きな駐車場。赤川ダムをバックに古賀志山の山並みが連なる。左のピークが古賀志山で、春は桜（写真1）、秋は紅葉(写真11）に映える。 　この赤川ダムから古賀志山に至る登山ルートはいくつかあり、代表的なルートは、森林公園のホームペイジのハイキングマップが参考になる。 　http://forestpark-utsunomiya.jp/hiking/hiking.html 　これらのルートで登ってみると、途中、沢山の脇道に出遭い、時には迷い込んでしまう。分岐点に標識などない。1700回登っていますという人に出会い聞いたところでは、ルートは90近くあるといわれた。自分たちだけのルート・ファインディングを愉しむ人達がいて、いつの間にかルートが増えてしまった。公園側も困り、自然保護のため、決められたルート以外歩かないでくださいと注意看板がところどころに建てられている。登山ルートは、1時間から長くて2時間、上りつめれば山塊の主稜線に出るので、時間を気にせず、のんびり登ることにしている。 　赤川ダムを起点にした公園マップの4つのコースのスタート点として私が利用しているのは、ダム奥の釣り池前の駐車場所、数台分のスペースなので、朝早くないと満車。 この4つのコースの中で、一番登山客に出会うのは、北コース。駐車場のすぐ先、芝山橋を渡って、芝山林道が山に入っているが、橋の手前で沢沿いに歩くと、沢を渡って、北コース登山口の標識がある。歩道は、初め比較的広く、だんだん石がゴロゴロして荒れてくる。途中、水場、休憩広場があり、このあたりから細く、石を踏みながらの急な登りになる。早春、左の斜面にカタクリの群落に出会う(写真2）。木の階段をつめて、富士見峠に出る。ベンチがあり、一息。名ばかりで富士山は見えない、杉林の中。左に向かっての登りがきつい、70ｍ位の高度差の滑りやすい急斜面、ロープに援けられる。登り切って緩やかな尾根になるが、左に分けると東稜展望台。これまでの登りには展望箇所なかったのでここで解放される。北から東の山々、西に古賀志山ピーク、下にダムと関東平野、筑波山と眺望が広がる。主尾根に戻って間もなく古賀志山頂、582ｍ（写真3）。山頂は広くベンチも多い、アンテナ塔の東がやや開けているが、周りは木立の中。ここから稜線を西にたどると、岩を越えたり、回ったりして、最後ハシゴを登ると御岳山、546ｍ（写真4）に出る。祠があり、ベンチあり、西側が開け展望抜群。 　もう一つ、ハイキングコース代表は、南コース。芝山橋を渡って、ＪＡＰＡＮＣＵＰサイクリングレースで使われる芝山林道を歩いてゆくと、サイクリングコース最高点で古賀志林道につながる。古賀志林道をしばらく歩くと南コース登山口標識。林道を使わずにダムの西側からトリムコースやダム展望台を抜け、杉・桧の山を越え、古賀志林道に出るコースやダムの南にある管理センターから森に入り、単調で長い林間歩道を歩いて坊主山のところから古賀志林道に出るコースなど選択肢が多い。登山口からは山道で初めは緩やか、やがて木の階段の上りで、だんだん急勾配になりしばらく続く。登りきると、古賀志と御岳を繋ぐ稜線に出る。このコースも途中の展望はなし。 　北コースと南コースの間に東コースがある。まっすぐ古賀志に向かう一番短いコースだが、岩場の登りで初心者や高齢者にはきつい。芝山林道を10分ほど歩き、注意していると東稜展望台へという標識が見つかる。沢沿いから山肌を辿り、尾根に出てゆくルートだが、この他にも芝山林道からいくつものとりつきがあるようだ。私が好きなのは、芝山林道と古賀志林道の合流点から右の林に入り、稜線を辿るコース。稜線はだんだん急になってゆくが、踏み跡ははっきりしていて、ところどころ樹に赤いマーキングがあり分かりやすい。雪の時など便利だと思う。途中で写真5の赤い頭の標石に出会う。ここは歩道の十字路になっていて、右から登ってくるルートは東稜展望台への標識から来た道、左に下って行くと、大きな岩の下を巻いて、岩の間を登る滑る急坂のルートや、先の岩を登るルートにつながる。岩のルートは岩を攀じ登り、岩を巻きして、ロープなどないわかりにくい登りだが、まっすぐ上がってゆくと、突然のように写真3の古賀志頂上に出る。このルートが古賀志山頂への最短ルートではないだろうか。十字路に戻って、直進すると、東コースの一番の難所になる大きな岩場にぶつかる。クサリやロープが頼りだが、岩をしっかりホールドしないと登攀できない、足場や手先を掛ける箇所を探すのが難しい。この写真6の大きな岩登りが3つほど続く。最後におまけの岩があり、登りきって東稜展望台に上がる。 　一番北のコースが中尾根コース。駐車場所から上の車道に戻り、細尾ダムの上で橋を渡り、標識なく判りにくいが踏み跡に従い山に入る。写真7の手前に見える岩場が覗く尾根がこの中尾根コース、この尾根筋を、岩を攀じ登り、岩を巻き、一番長いコースになる。明るいコースで展望もよく、登り始めのカタクリ群生、尾根上のアカヤシオやヤマツツジと花も多く、登山らしく楽しめる。稜線の詰めは、559ｍピーク、名がついていない。最後の岩登りできついが登りきると、また展望が広がる。ベンチもあり、休憩に好適。ピークを避け、左に回り込んでゆくと時間節約でき安全。ピークを越え先はＴ字路に出る。左古賀志山、右蔵掛山。左に向け稜線を歩く、巻き道と合流し、また岩場もあり、上り下りしてゆくと右斜面が裸の伐採地に出る。ここをトラバースして下ると、富士見峠。 　中尾根コースの559ピークの先、T字路を右に向かうと、蔵掛山縦走路になるが、写真7の中央奥の蔵掛山とそれまでの稜線は遠く、私は踏破してはいない。Ｔ字路から岩場のある上り下りが続き、ツツジを眺めながら、540ｍピークを越え、下って行った先に杉林のなか平坦な鞍部に出る。Ｔ字路から1時間ほど。赤い標石があり、歩道が十字路になっている。左は文挟方面に下りるルート、蔵掛山直行をあきらめ、右に下山することにした。5分ほどで林道に出会う。ここから杉林の沢沿いで細尾ダム上流に下るが、30分と長い。 　赤川ダム基点の登山ルートのほかに、西からのコースもある。293号線から文挟へ向かう県道を進むと、右に城山西小学校が見える。孝子桜花見で賑わう観光地でもあり、芭蕉句碑もある。学校脇を抜けて入ると、唐沢の池の先に駐車場。ここからの林道の先が滝コースの登山道、すぐに、洞窟の男滝明神の祠、細い不動の滝、ロッククライミング練習場（写真8）と続き、直登気味の登りで主尾根に至る。南コースで登ってきたところと御岳との間に出る。 　御岳山から西方向に、写真9のような尾根が延びている。手前が546ｍピーク、奥が535ｍの赤岩山。赤岩山に登るには、城山西小奥の駐車場から林道を西に向け1.5�qほど歩く、パラグライダー基地の草地の右に風神神社の鳥居、ここをくぐり登山口。沢沿いの杉林を進み、右手に鳥居が見え、急になってきたジグザグ道をつめ、尾根から赤岩山。バラグライダーのフライト地点で施設が道をふさぐ。赤岩から稜線を辿って御岳に向かうが、尾根の起伏は激しく、狭いところあり、きつい岩場登攀と初心者には向かないルート。何年か前、山火事があり荒れていて、縦走控えるよう注意看板があったが、今はない。特に写真10のような垂直の岩では、ロープはあるがロープだけでは体がぶら下がってしまい、確実な岩と木の根や枝のホールドが欠かせない。以前は岩場を回り込む抜け道があったといわれたが今は見つからない。岩壁の反対側はまた危ない垂直の下り。岩登りを繰り返し、赤岩から1時間ほどの縦走で御岳に至る。 　低山にもかかわらず、多様なトレッキングができ、ロッククライミングも技術に合わせ楽しめる素晴らしい山で、ファンが多い。花も多く、紅葉鑑賞にも好適。ただし、シーズンには銀座なみの人に会う。