宇都宮市、鬼怒川沿いの飛山城跡高台に住み、あちこちと歩き回っている高齢者のおぼえがきです 　過去の記録は次のページで見られます

　

ラブバード　　　　　　　　　　　　　　　　　2018.6.19　 　井頭公園の花ちょう遊園で「ラブバード」にめぐり合う。和名は「ボタンインコ」、愛らし鳥のイメージからすると「ラブバード」のままがいい。 このラブバードには想い出がある。 　 　ヒッチコックの映画に「鳥」（１９６３年）があった。サンフランシスコの100ｋｍほど北にあるボデガ・ベイという港町、どこにでもいる鳥、カモメ、カラス、スズメが突然、人や建物を襲い、死者もでるという怖い映画だった。この映画の冒頭、女主人公がペットショップで小鳥を買い、男の家にボートで届けた帰り、カモメに襲われる。この小鳥が「ラブバード」だった。初期の映画では、字幕に「インコ」とでていて、「ラブバード」のままにしておけば、後のストーリー展開を暗示させてくれてよかったのに、下手な訳だなあと思った記憶がある。その後、TVで放映された映画では「ラブバード」になっていてほっとした。 　 　 　いつかこの鳥の現物に出会えるのを楽しみにしていたのに、そのうち忘れてしまっていた。 　 　それから約２０年後、ビジネス研修で訪れたアメリカのクリーブランド、エリー湖の湖畔のコンドミニアムに住む新婚夫婦のホームパーティに招かれた。玄関先で初対面の奥さんに、名乗ったら「あ、バードウォッチングしている方ですね」といわれ、さすがアメリカの会社、前もって参加者のプロファイルが渡されているんだと感心。アメリカ人の友達夫婦数人、日本人数人のパーティーで歓談しているうちに、旦那さんに急に出張要請、フライトの時間だからと抜けてしまった。歓談は続き、奥さんと二人になった時、「私の鳥を見て」とベッドルームに誘われる。「他の男をベッドルームに入れるのは、旦那が嫌がるのだけれど。。」と言いながらベッドサイドの籠に入った小鳥を見せてくれた。「なんていう鳥？」、「ラブバード」。ああやっとヒッチコックに出会えた。可愛らしい鳥なんだけれど、一羽だけ、新婚さんに付き合わされて何となく不安気な表情。理想は二羽でラブ。 このラブバード、二羽いると実に仲がいい。じゃれ合ったり、キスをしたり、こんなところからこの名前が付いたのかもしれない。 　映画をはじめ、出会ったラブバードはいずれも籠の鳥、公園の鳥は鉄格子状の頑固な鳥籠、自由に飛び回れるラブバードであってほしいなと思った。

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