宇都宮市、鬼怒川沿いの飛山城跡高台に住み、あちこちと歩き回っている高齢者のおぼえがきです 　過去の記録は次のページで見られます

　

マン島　　　　 　　　　　　　　2023.2.２７. 　最近、読んだ本は「黒い海」　伊澤理江。 ２００８年６月２３日、海難事故で漁船第58寿和丸転覆、乗組員のうち3人は救出、4人死亡、行方不明13人。舟は犬吠埼から350キロ沖合、海底5800メートルとされる海域に沈没。その後の運輸安全委員会の調査報告で、大波により舟が傾き沈没とされ、沈没船の調査は困難となった。本の著作は生き残り3人の証言、救助に当たった他の船の乗組員の印象から、調査報告に疑問を持ち、とくに2回の衝突音や大量の油の流出から、潜水艦との衝突を疑い調査を続ける。その調査報告ドキュメントだ。 　調査では、海外の潜水艦事故も調査に加えていて、特に数回起こっている謎めいたイギリスのマン島事件を取り上げている。マン島はブリテン島とアイルランド島との間、アイリッシュ海に浮かぶ人口9万人ほどの島だ。米ソ冷戦時代の潜水艦事故は戦略的な要素も考えられるが、冷戦後のものは訓練中とも思える。 　このマン島を私が訪れたのは英国出張中で休みの日だった。 　首都ダグラス、馬が引くトラムが走る。 　鉄道は蒸気機関車。 　巨大水車。 訪れたの30年ほど前のことだが、この馬のトラムも蒸気機関車も水車も、今も活躍中らしい。 　この島はイギリス国内ではなく、イギリス王室属領で自治権をもつ。税法も別で、タックス・ヘイブンの島だ。農地と森の中に議事堂もある。 税法逃れで金融機関や金持ちが住みつく。 　二番目の町、キャッスルタウンは海と農地に囲まれて、のどかな海辺。 海辺の廃城。 マン島はTTレースで知られ、島の大きな収入源。 街のなかがレース場になっていて、60Kmの一般道路が使われ、道路に標識がない。 　ホンダが世界展開で名が知れるようになったのがこのTTレース。初参加の1959年、125ｃｃのオートバイで6位、7位に入り世界の注目を集めた。この時、7位に入ったのは私の叔父でチームリーダーの　鈴木義一だった。私がこの島を訪れたのも彼を偲ぶためだった。島を走ってくれたのは、レストラン経営のオーナで休みの日、1日付き合ってくれ、そういえば選手たち味噌汁がないと力が出ないと言っていたと想い出してくれた。彼はその後、ホンダが4輪車に事業展開するとカーレースにも参加し、発売直前のホンダスポーツ500で、スパ・ソフィア・リエージュ　マラソン・ラリーに出場。途中でアクシデント、ユーゴスラビアで死亡した。1963年8月、享年32歳だった。 　「黒い海」の作者　伊澤理江の調査での潜水艦衝突の証拠は見つからず、事故解明未達のまま、今後も調査を続けるとのことだが、事故船調査が出来ないままだと解明はむずかしい。

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